「Bunko Plus」の制作に踏み切ったのは、昨今の取材環境の悪化が背景にあります。
いわゆる出版不況による雑誌など紙媒体の減少、Jリーグが行った「J's GOAL」閉鎖騒動(15年)とそれ以降の原稿料の大幅な低下などで、財務的環境は悪化の一途をたどっています。
また、レノファ山口FCの練習場が同一箇所に定まらなかったり、ギラヴァンツ北九州のJ3降格にともなう環境変化などで、取材自体の困難さも解消は進んでいません。
平成29年度は取材頻度を見直すなどで経費圧縮を図りましたが、取材回数の減回は記事の質に関わり、望むものではありません。質を維持しつつ、持続可能なしくみを作れないかと熟考を重ね、このたびの方策にたどり着きました。
無料記事の「持続可能性」
現在、「Yahoo!ニュース(個人)」「サッカーダイジェストweb」などでレノファ山口FCとギラヴァンツ北九州の記事を掲載していますが、これらの媒体への出稿は、後に続く人たちにバトンタッチするまでは続けていきたいと考えています。
(※「J's GOAL」については2020年度の担当を続けることができませんでした)
これらはペイウォール(課金配信)のない無料で読める記事です。私は、なるべく多くの方に記事を読んでいただくことが、愛するチームの魅力を巷間に広めることに繋がると信じています。
話が少し飛躍するかもしれませんが、広く読まれる記事はチームをより強くする一助になるかもしれませんし、応援する人にとってはチームを誇りに思う気持ちや郷里を愛する思いの醸成・増幅に繋がるかもしれません。
広くJリーグ界を見渡すと、原稿料の右肩下がりが続く中、今や「片手間」の記事や一時的な受けを狙っただけの記事も多く見られるようになりました。どんなに好意的に咀嚼し解釈したとしても、チームへの誇りや愛情を感じられない記事が散見されるのです。もちろん私も時に厳しくチームの有り様を書かねばならない時があります。しかしそれは受けを狙うためでも、読者の溜飲を下げるためでもありません。例え負け試合であってもそこに意味を見出し、サポーターには「応援していて良かった」と思っていただきたいし、チームには省みるべきは省みて次なる試合に繋げてほしいのです。
支えていただくための「Bunko Plus」
原則として無料の記事で、幅広く発信していきたいと考えていますが、限界点に達しつつあるのが現実です。ただ、いくばくかの「支え」があれば続けられるという見通しも立ちました。「Bunko Plus」は市井の有料配信コンテンツや有料メルマガなどとは違い、あくまでも「無料で発信していく」という活動を「支え」ていただくための提案なのです。
おかげさまで「Bunko Plus」を導入した平成30年度は約10名の方にご支援いただき、取材回数を前年度よりも増やせました。この場を借りてお礼申し上げます。
この提案があまねく全ての方に受け入れられるとは思っていませんが、引き続いて何名かの方にご賛同いただき、支えていただければ幸いです。
平成30年2月12日 制定
平成31年3月13日 改訂(月間レポートのサッカーダイジェストwebへの実質的な移行にともなう内容変更および価格変更)
令和元年12月10日 改訂(サイトの名称変更)
令和2年4月17日 改訂(運用再開にともなう変更)